あかいろのしずく
ピリピリとした空気が流れる。
サユリさんは私の問いに申し訳なさそうに答える。



「だって、不自然じゃない。同時に二人も何もない人がいたら、どちらかが疑われると思った」

「それは......」

「もしそんなことになったら、どうするの? 私のせいで、ショウトが嘘をついてることになったら。罰を受けることになったら......私は......」



言われてから気づくことばかりだ。
確かにもし、二人が同時に同じことを言えば、疑われたかもしれない。今よりはマシな状況になっていたかもしれないけれど、その真逆の可能性だってあり得た。


サユリさんは、優しいんだ。
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