あかいろのしずく
いつ俺が頼りになんてなってたんだろう。



「ごめん」



俺は手を止めて謝った。

ショウトはまだ梯子の足場を雪で固めていた。顔を上げないまま、ショウトは「なにが」と聞いた。



「もともと二人しかいないのにさ、男が片方くたばるのは、負担だったろ」

「まあ、それなりに」



こういうこいつのストレートな物言いが、たまに胸に刺さる。
でも、素直に言ってくれる方が気持ちが楽なんだ。


ごめん、っていうのは、倒れてごめんだとか男として力不足でごめんだとか、あの事件の真相を言えなくてごめんだとか。

色んな意味を含んでいた。きっとショウトは全部を理解していないけれど、別にそれでもよかった。
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