あかいろのしずく

どん、と鈍い音がフローリングの床から足裏に伝わった。反射的にビクッと肩を震わせた俺。遅れて「あ」と西平が声を漏らす。どんくさいな、何やってんだ。


たぽたぽとボトルの口から流れ出る水。しかし西平は、足元に水たまりができてもそれを見つめているままで拭こうとしない。これはどういうことなのか。


俺は口の前にコップを持ってきた状態で固まっていた。なんとなく、この辺りから違和感は合ったのだ。

時計がカッと詰まったような音を立てた。振り向けば三時。ショウト達が逃げてから、もう十分以上は経っていた。



西平が呟く。




「【あかいろのしずく】」

「え?」

「アズマくんは知っていますか? 結構便利なサイトなんですよ。今回の計画ではね、ここでの皆さんの生活費と、そのサイトでお金をはたいてしまいました」



破産しましたね、と西平は笑った。
< 612 / 754 >

この作品をシェア

pagetop