あかいろのしずく
分からないってなんだよ。そう言おうとしたが、次の瞬間西平によって遮られてしまう。
西平が俺に向かって、自分のコップに入っていた水を俺にかけたのだ。それも思い切り。俺は訳の分からないまま全身にそれを被った。
上半身はジャンパーで弾かれて床に落ちたが、頭から透明な雫が滴っていた。酷く冷たい液体だった。俺は半分キレ気味で言う。
「なにすんの」
「手元が滑りました。すみません」
西平は笑っていた。
床も体もびしょびしょだった。俺は西平を睨む。西平は「怖いですね、そんな顔しないでください」と俺をなだめるように言う。