あかいろのしずく

それから俺の後ろを指さした。



「この建物、結構雨漏りが酷いんですよ。だからあの天井も、昨日降った雪のせいで結構湿っているというか。柔いんですよ」

「もうすぐ壊れて二人とも潰されるとか、そういうオチじゃないだろうな」

「はは、ちょっと違いますね」



さっきから変なことばかり言っているような気がする。西平はつまり何が言いたいんだろう? ジエチルエーテルとか雨漏りとか。意味不明だ。



「さっき言ったジエチルエーテルのことなんですが、あれ、結構危険なんですよ。体に触れるだけで危ないんです」

「薬品か?」

「そうですね、特徴は独特な甘い臭気でしょうか」



薬品の話なんてどうでもいいんだよ。
< 615 / 754 >

この作品をシェア

pagetop