あかいろのしずく

火は一瞬で床から天井まで伸びて、俺と西平の間に目の眩みそうな酷く明るい赤い光の壁を作っていた。


時々ぱちぱちと、誰かが拍手するような音を炎が弾き出す。俺は少しの間呆気にとられていたが、すぐに我に返った。そうだ逃げないと。

ジエチルエーテルは恐らく可燃性液体の一つだ。水だと思わせて飲ませようとしていたのも、床にわざとまいたのもこのためか。危なかった。危うく逃げる前に殺されかけるところだった。



俺はドアの方に向かう。が、次はテーブルの奥のリビングの方でドン!と大きな音がした。そしてあろうことか、そちらに気を取られてもう一度ドアの方を向いた時にはドアの手前に炎が降り注いでいた。

今度はなんだよ!


振り向けば、そちらでも炎が上がっている。その中央には、もう一つのペットボトル。投げたのか? 
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