あかいろのしずく
服に火が移ったりしたら危ない。西平は難なくやってみせたが、もしものことがあれば......。

火を消すことはできないのか? 消火器は?
いや、西平のことだ、用意しているはずがない。

煙が濃くなってきた。

見あげると、西平は口にハンカチを当てていた。残念だが俺はハンカチなんて持っていない。煙対策も万全か、用意周到だな、ホントに嫌になる。


一酸化炭素中毒の原因になる煙も、火の回りが速いせいでどんどん増えてくる。
息を止める? でも、その後すぐに大量に空気を吸うことになる。それはダメだ。とにかく今は、姿勢を低くして待っている方がいい。


いや、でもこのままだと火がまわって先に焼死する。
とにかくこの部屋から出ないと。
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