あかいろのしずく

そう思い、顔を上げたその時。



「......え」



突然急に宙に浮いたように、体が軽くなった。そして全くと言っていいほど何も考えられなくなる時間があった。音も聞こえなかった。俺の所だけ空間が切り離されたみたいだった。しかしそれは一瞬のこと。魔法でも魔術でもない。

重力が戻ってきて地に体がついている感覚が蘇り、気づいたらまた同じところに戻ってきていた。そしてそれは何度か経験したことがあった。


意識が朦朧としているのだと分かるや否や、俺は焦って立ち上がろうとした。だが既に時遅し。体に力が入らなくなっている。


一酸化炭素中毒にしても症状が重い。
まだ時間もあまり経ってないのに、どうして。
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