あかいろのしずく
走っても走っても姿は見当たりません。かくれんぼでもしているんじゃないかと思いました。純はそういういたずらなところがあるから。
何処に走ってどこに向かっても、君に近づいているのか遠ざかっているのかさえ誰も教えてはくれません。これが罰なんでしょうか?
それとももっと罰が必要? もっと僕は裁かれるべき?
そうでもしないと僕は、この世界に来てもまだ、君に会うことすら許されないのでしょうか?
そんなの、あんまりだ。
だってじゃあ、僕はなんのためにこんなことを......。
息を切らしながら走る僕を、子供たちは必死になって追いかけてきていました。もうだいぶ距離があいています。