あかいろのしずく
それから続けます。
「ねえ、実はこの式場のデコレーション、わたしが考えたんだよ!すっごく可愛いと思わない? まあ、作業はみんなに手伝ってもらったけどね」
「......」
「あと、さっきまでの演技も騙されたでしょ! ほんとに地獄に行くと思ってたの? 馬鹿じゃないの。そんなのあるわけ......」
「楽しいですか?」
声が、震えました。
笑ったはずなのに。別にちょっと文句を言ってそれで、済ませるつもりだったのに。僕は次の瞬間、純に向かって怒鳴りつけていました。
「こんな......こんなことをして騙して楽しいですか! からかってるんですか!?」
純はキョトンとしていました。
それから僕を見あげて、え、と首を捻りました。
「こんなところまで来て、まだ僕は君に振り回されなきゃいけないのか!? もう、こんなのうんざりだ」