あかいろのしずく
失敗から色んなことを学べるかって言ったら、実際そうじゃないかもしれないのです。次からそれを活かすのも簡単じゃない。
人生は間違えてばかりで、子供から大人になってもそれは変わらない。
「どっちが良かったんですか!」
「どっちも嫌だよばか!」
「なんで、」
「私ね、先生も、先生の仕事もぜんぶ好き。ぜんぶ守りたかった」
純は泣きながらそう言いました。僕はまた泣きました。
あんな小さくて、まだ子供で、ちょっと力を入れたら折れてしまいそうな細くて華奢な体で。そんな大きな決意をして屋上から身を投げて。