あかいろのしずく

想像を絶する痛みに耐えて、ひとりでこの世界に来て。もしかしたら、この先何十年も、僕が死ぬまでずっと、ここでひとりぼっちで僕のことを待っていたかもしれない。

そう思うと、僕は、これが間違いだなんて思えませんでした。
死んでしまってよかったんじゃないかとさえ思いました。




これが全ての真相だったのです。
辛いことに耐えかねたわけでもなく、ただ純は僕を守るために死んだのです。




純はどこまでも、僕を想ってくれていた。


可愛くて仕方がなかったんだ。
何度も抱きしめたいと思った。

僕は、君に、何もしてあげられなかったね。
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