仮想現実の世界から理想の女が現れた時
もんじゃを食べ終えると、瀬名が尋ねる。

「このあと、どうするんですか?
部長、どこか行きたいとこ、あります?」

「花やしき」

「え!?
部長が遊園地ですか?」

瀬名は目を丸くして驚いている。

「どういう意味だ?」

「いえ、部長は大人なイメージだったので、
まさか遊園地に行くとは思ってませんでした。」

「大人だって、遊園地ぐらい行っても
いいだろ?」

「はい、もちろん、いいです。
っていうか、私は遊園地大好きです。」

瀬名は明るく笑った。



俺たちは、花やしきに入園する。

小さなジェットコースターは子供の頃とは違う恐怖があった。

「ここは、狭い分、乗り場から乗り場への
移動距離が短くて楽だな。」

「そうですね。
どこかの夢の国とは対照的ですね。」

「まあ、俺は夢の国も好きだけど…」
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