仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「お待たせしました。」

かわいい…

風呂場から現れた暁里は、普段は下ろしてる髪をポニーテールにしていた。

「しっぽがある。
かわいいな。」

俺は暁里の髪に触れ、揺らしてみる。

暁里は照れたように、目を伏せて言った。

「朝ごはん、食べますよね?
ちょっと待ってくださいね。」

暁里は慣れた手つきで、朝食を作る。
目玉焼きとサラダとトーストとコーヒー。

ありふれた朝食だけど、暁里と向かい合って食べるのは、なんだか嬉しいような、少し照れ臭いような不思議な気分だ。

いつも一緒に昼食を取っているのに、それとは全然違う。

朝だから?
暁里の部屋だから?
暁里の手料理だから?

きっと、その全てが特別感を演出してるんだろう。

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