仮想現実の世界から理想の女が現れた時
父は少し寂しそうな顔をする。

「1人でって、お前、料理とか家事とか
出来るのか?」

「くくっ
父さん、知らないの?
俺、母子家庭で育ったんだよ。
一通りの事は出来るに決まってるじゃん。」

全く…
誰のせいで小学生の頃から手伝いに追われてたと思ってんだよ。

「そうか。
じゃあ、たまには遊びに来いよ。」

「はいはい。」

行くつもりなんてさらさらないけど、そんな事を言うとまためんどくさい事になるので、表向きは肯定の返事をしておいた。

それにしても…

はぁ…

引っ越しがあるから、ひと月も前の内示なのか。

住むとこ、見つけなきゃな…

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