仮想現実の世界から理想の女が現れた時
暁里は俺の腕枕で微睡みながら尋ねる。

「ねえ、部長。
こんなにすごいお部屋に泊まってよかったん
ですか?」

そんなこと…

「いいんだよ。
俺がそうしたかったんだから。」

「でも、高いですよね?」

「暁里の初めては、思い出に残るところでって
思ってたから。
ここなら、一生忘れないだろ?」

「はい…」

それくらいしてやりたいと思えるほど、俺は暁里に惚れてるんだ。


「風呂、用意してくる。」

俺は暁里に声を掛ける。

「え?」

「一緒にジャグジー入ろ?」

「えぇ!?」

「くくっ」

暁里は分かりやすく狼狽える。

俺は、するりとベッドから抜け出してバスルームへと向かった。

今頃、暁里はひとりでパニックを起こしてるんだろうな。

俺は浴室でひとり、笑みをこぼす。

そんな暁里のために、アメニティの中のバスソープを入れた。

これなら、暁里も恥ずかしくないだろう。

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