君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
俺、あんたたちと同じ高校に行くよ。
そう言って笑ったタケの瞳に、見えた強い芯のような物に気づいて、有名私学への進学を取りやめ、自分たちと同じ唯の公立高校へと進学すると言ったあいつを、
おれも茜も止めようとは一切しなかったけれど。
楽しみにしてるよ。
そう言って、撫でてやったタケの、
まだ、痛んでいない染めたての髪の感触に、
なぜかおれはとても切なくなってしまったのだった。