約束のエンゲージリング


本当に過保護過ぎて嫌になる。




きっと彼は私が家に入るのを確認するまで自分も部屋には入らないつもりだ。

どこまでも子供扱いしてくる彼に怒りを感じながら乱暴にドアを開けた。





今から中に入りますアピールを大袈裟にして彼の方を見ると、安心したような表情を浮かべてから優しく手を挙げた。

その笑顔に胸を締め付けられて、逃げるように中に入った。






玄関のドアにもたれかかって、煩く脈打つ心臓を手で押さえた。

そして大きく深呼吸をしてから声を上げた。







「お邪魔しまーすっ、、!!」


私の少し大きめな声に、バタバタと足音が聞こえてきて可愛い天使がお出迎えをしに来てくれた。




「千佳ちゃんっ!お帰りなさい!!もう〜〜ゆら、待ちくたびれたよぉ!ほら、早くご飯たべよ?今日はママが千佳ちゃんの好きなモノばっかり作ったの。私もお手伝いしたんだよ?」

「え?由羅ちゃんも一緒に作ったの?!凄いね!!!それは楽しみだなぁ〜〜。」

「でしょでしょ!!ほら、早く〜〜!!」






彼の次は可愛い天使に手を引かれ、リビングへと足を踏み入れる。


キッチンに立っている女性に少し遠慮気味に声をかける。








「、、沙羅姉、お邪魔します。」



目が合うと嬉しそうに笑って声を掛けられた。


「あ!千佳!!お帰り!!!ご飯出来てるよ〜〜。ほら温かいうちに食べよ?」

「うんっ、、!」






いつだって優しく迎え入れてくれる沙羅姉が大好きで、本当の家族になれた時は嬉しすぎて泣いたくらいだ。


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