約束のエンゲージリング


「えー?なんで??私、2人にって言ったでしょ?マサくんも来ると思っていっぱい作っちゃったよ。」

「、、たまには〝家族水入らず〟もいいだろ。てか毎回毎回呼ばなくてもいい。それに作り過ぎた分は千佳が食うから。」







そういってチラッとこちらを見た兄は、彼の分の食事を私の前に置いた。



「揃ったら食うぞ。沙羅も座れよ。」

「う、うん。じゃあ久しぶりに家族皆んな揃った事だし、、、由羅、お願いします。」

「はーい!じゃあお手て合わせて、、頂きまーす!!!」

「「「頂きます。」」」






由羅ちゃんの可愛いい掛け声に合わせて、皆手を合わせてから食事に向かった。

昔から孝兄はこういう事は徹底していた。


箸の握り方や言葉違い、その他マナーには厳しくて、だらしなかったりすると直ぐに怒られていた。




昔は口煩いな思っていた時期もあったが、今は兄のお陰で常識的なマナーを身につけることができて良かったと思っている。


それにきっと彼を誘わなかったのは私の為だ。







勿論、私も彼を家族のように思っているが彼は私にとって〝好きな人〟であって決して兄ではない。

そんな私の心の内を兄は知っている。




だから〝家族水入らず〟を強調して言ったんだと思う。

< 19 / 284 >

この作品をシェア

pagetop