約束のエンゲージリング


そんな兄の優しさに胸があったかくなって、楽しく会話しながら食事も進む。








「ご馳走さまでしたぁ!」

「「「ご馳走様でした。」」」





由羅ちゃんの掛け声で食事が終了し、2人分食べ終えた私は、お腹も心も満たされて食器を片付け始めた。




「あ、千佳。私が洗うから座ってなよ。仕事で疲れたでしょう?私は今、専業主婦だしね!孝に養ってもらってるんだからこれくらいしなきゃでしょ。」

「何言ってるの?専業主婦だって立派な仕事だよ?それに私なんか2人分も食べちゃったから私が洗うのは当然だから。沙羅姉こそ、ゆっくりしてて。」

「えー、、でも、、、。」





キッチンの洗い場で押し問答していると、兄が呆れたような、でもとっても優しい表情でこちらを眺めていた。






「、、沙羅、千佳がいいっていってんだから頼んだらいい。それに今日、ずっと立ちっぱなしだったんだろ?少し横になれよ。」

「う、うん。じゃあ千佳ごめんね、、?お願いします。」

「任せてよ〜〜!ほら、沙羅姉座って?って、、よく見たら少し顔色が良くないよ?もしかして仕事辞めたのって体調不良、、、?沙羅姉どこか悪いの?!」







心配になってつめ寄ると、少し驚いてから嬉しそうに笑ってお腹に手を当てた。

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