約束のエンゲージリング


「ふふ、やっぱり兄妹ね?千佳にも隠し事は出来ないね。安定期になってから言おうって思ってたんだけどね、、、実はね、、赤ちゃんができたの。」



そう柔らかく笑った沙羅姉はとっても幸せそうで見ているこちらも幸せな気分になる。









「っ本当っ、、?!?!おめでとうっ!!!!予定日はいつ?!?!?!っ、、それよりも早く横になって!!!後でゆっくり話聞かせてよ!私が洗い物してる間はしっかり休んでて?」

「、、兄妹揃って心配性なんだから。でも、そうさせてもらおうかな。」







ソファーに横になった沙羅姉の頭を横に座っていた兄が優しく手を乗せた。

そしてソファーから立ち上がった。







「、、じゃあ俺は由羅と風呂入ってくるから。千佳もゆっくりしていけよ。由羅、行くぞ。」

「うん、そうする!あ、孝兄もおめでとう。また一段と賑やかになるね。」

「そうだな。」






短い返事だったが、柔らかく目を細める姿は本当に喜びに満ち溢れていた。

私達兄妹が経験している家族が減る悲しみとは違って、家族が増える事を嬉しく思わない人間なんてきっといない。



パタパタと孝兄に駆け寄った由羅ちゃんの手を引いて浴室へと姿を消した。




< 21 / 284 >

この作品をシェア

pagetop