約束のエンゲージリング


食器を全て洗い終えて、リビングで横になっている沙羅姉の隣にゆっくりと腰を下ろした。

すると横になっていた沙羅姉もソファーに座り直した。






「食器洗いありがとね。」

「ううん、それより寝てていいよ?横になってても会話はできるんだし。ちなみに今、どのくらい?」

「3ヶ月に入ったとこ。悪阻が少しあって仕事が続けられなくなってね、、孝に相談したら迷わず辞めろっていうからお言葉に甘えて辞めたんだ。だから孝にだけ金銭面でかなりの負担がいっちゃうのが少し心配かな。あとそれなりに高齢出産になるし用心しておこうと思ってる。」

「それがいいよ。仕事はやめて正解!何かあってからじゃ遅いし、由羅ちゃんだっているしね。キツイ時はいつでも呼んでね!!夜だけだけど家事だって手伝えるし、孝兄が遅い時は由羅ちゃんだって預かるからね。あぁ〜〜、、それにしても今から楽しみだなぁ〜。由羅ちゃんみたいな可愛い女の子かな。それとも男の子?どっちも可愛いだろうなぁ。」






今はまだ、全く膨らみのない沙羅姉のお腹を眺めながら小さく呟くと沙羅姉は、困ったように微笑んだ。





「、、千佳は?誰かいい人いないの?千佳ももうすぐ25歳でしょう。そろそろ自分の子、抱きたいとか思わない、、?勿論、千佳は私達の家族だけど〝自分の家族〟が増えてもいい頃よ。今が1番脂が乗ってるときだしね、、?」





痛いところを突かれて、咄嗟に目を晒す。

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