約束のエンゲージリング
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「、、正巳、怒ってる?私が突然会いにきた事に。それとも、スタッフの子の前で昔の嫌な思い出を暴露されたのが嫌だった?」
作業場と店の境目のドアを閉め、愛しい彼女をこの場から追い出すと背後から昔と変わらない声。
ゆっくり振り返るとその姿は別れて随分立つというのに最後にあった時と変わらず、目が合うと少し寂しそうに微笑んだ昔の恋人。
自分よりも2つも年上だというにそんな事、全く感じさせないほど若々しい。
「、、それとも今の子、ただのスタッフじゃなかったりする?まるで私から隠すようにここから追い出したよね。随分と若い子だったけど、やっぱり今の恋人には聞かれなくない?」
『千尋さんには関係ないよ。、、それより何でここに?大阪に引っ越したんじゃなかったですか?』
「主人と別れて暫くは大阪に居たんだけど、やっぱり地元に戻りたくなって数年前にこっちに戻ってきてたの。直ぐにでも貴方に会いにいきたかったんだけど勇気がなくて、、。傷付くのが怖かったから。でも今なら向き合えるって思えたの。」
『傷付く、、?記憶が正しければ俺が振られた身だったと思います。』