約束のエンゲージリング
ずっと見守ってきたあの子が、、手を伸ばせばいつでもすぐそこに居たあの子が手から塗り抜けていく感覚に恐怖さえ覚えた。
いつか来ると分かったいた事なのに、その現実を受け入れられなかった。
だからあの子と自分から距離を取った。
そうでもしないと見たくないものを見てしまうと分かっていたから。
あの子とこれ以上関わらず、自分さえこの感情に蓋をして過ごせば皆が幸せになれると言い聞かせ自分の想いと現実から目を逸らした。
あの子の家から店は目と鼻の先。
そのうえ店が高校への通学路に立っている為、現実問題、彼女を見ないように過ごすのは難しく至難の業だった。
時折、あの子が恋人であろう男と歩いている姿を目撃したがそういう日は必ずと言っていいほど仕事に手につかずイライラとしている自分がいた。
そしてあの日、夕方の配達であの子が通う高校の近くの公園を通りかかった時、、見てしまったのだ。
あの子と男がキスをしている姿を。
一瞬で頭に血が上り、普段はできていたのに湧き上がる黒い感情を抑えることが出来ない。
店に戻るとすぐに店じまいをし、隣町まで飲みに出かけた。