約束のエンゲージリング
「あ、エンゲージリングだ。」
咄嗟に呟くと、それに気づいた彼もすれ違い様に女性の左手の薬指に視線を向けた。
『本当だね。千佳、よく見てたね。そもそもエンゲージリングって知ってるの?』
「しってるよ?けっこんゆびわのことでしょ?プロポーズするときにわたすもので、ずっといっしょにいようねってやくそくのしるしだってテレビでいってた。」
『千佳は物知りだなぁ。、、千佳もいずれ貰うんだろうなぁ〜。』
感心したように驚いて、それから握られた手に少し力が込められた。
なんだか彼の横顔が寂しそう見えて、思わず強く彼の手を握り返す。
『ん?どうしたの?』
「あのね、ちかね?マサさんとけっこんしたいの。だってマサさんとずーといっしょにいたいもん!!けっこんはずっといっしょにいようねってやくそくでしょう?せんせいがいってた!だからマサさんとけっこんしたい。」
真っ直ぐ真剣に見つめるが、困ったように笑うだけで何も答えてくれない。
それが悲しくて俯き加減に呟く。
「マサさんは、、ちかのこときらい、、、?」
私の不安を感じ取ったのか、彼は立ち止まり私の目線の高さに合わせるように屈んでから真剣に呟く。
『勿論、千佳が好きだよ。』
「でもけっこんはできない、、?」