約束のエンゲージリング
涙は悲しい時にしか出ないものなのに、何故このヒロインは泣いているのだろう。
嬉しいのならもっと笑えばいいのにと不思議に思っていた幼かったあの頃の自分。
あの時は分からなかったその理由が当事者となり、今ようやく分かった気がした。
長い年月をかけ、ゆっくりとグラスいっぱいになった彼への想い。
入りきれなくなったグラスからは想いが溢れ出し、そんな風に溢れた想いは温かい涙となって頬を伝う。
そんな私を見て、困ったように微笑みながら抱きよせてくれた彼。
それから流れる涙を拭うように頬を撫でた後、ゆっくりと優しくキスを落とした。
そんなキスに自然と涙は止まり、触れた唇が離れると視線が交わる。
「こんな私を好きになってくれてありがう。っ、、これから先もずっと側にいてくれる、、?」
『、、それはこっちの台詞だよ。こんなおじさんで本当にいいの?後悔しても、もう離してあげられないよ?』
「マサさんがいいの、、私を好きなら絶対に離さないで、、、?」
『離さないよ。〝好き〟なんて言葉じゃ足りないんだ。、、千佳を心から愛してる。』