約束のエンゲージリング
それから彼は有言実行で、1つ1つの店を見て回った。
その間も手は強く握られたまま。
『あ!メンズショップだ。ついでに俺の服も見てもいい?』
「うん!勿論だよっ!マサさんはカッコいいから何着ても似合うよ。私が選んであげようか?、、、なぁって!」
普段なら絶対に言えないような少し大胆な冗談も言えるくらいに身も心もがフワフワしてる。
きっとこれも今日で最後だからなんだろうなと思わずにはいられない。
貴方を好きでいてもいい最後の日。
『え?本当?じゃあ千佳に選んでもらおうかな。最近の流行りには疎くてね?助かるよ。』
てっきり軽く流されると思っていた言葉だったのに、嬉しそうに笑ってくれる彼に好きがどんどん膨れ上がる。
その想いが破裂しないようにとギュッと胸にしまい込んで今度は自ら彼を引っ張る。
「ま、任せてっ!!!最高に似合う服見つけるからっ、、!!」
お目当の店に入るとズラリと並んだメンズ服。
初めて足を踏み入れるその場所に少し緊張しながらも店内に足を進める。
ズラリと並んだ服はお世辞ではなく、本当にどれも似合いそうで迷ってしまう。
「あ、、これいい。でもこっちも似合うな。ん〜〜でも色味的にはこっちが好きだな。このパンツなんかマサさんに凄い似合いそうだし〜〜っ、、、!」