約束のエンゲージリング
きっと興味がないんだ。
あれからずっと考えていた。
彼が本気で好きだった女性とは一体どんな人だったんだろうと。
可愛い系?それとも美人系?
きっと彼に似合う、大人で知的で素敵な女性だったんだろうなと。
少なくとも私みたいな女じゃない。
どうしても彼が本気で好きだった人を比べてしまう。
『っか、、、千佳っ!全然食べてないけど、どうかした?流石に疲れた?』
心配そうな表情を浮かべる彼に声を掛けられて、何も手をつけずボンヤリしていた事にハッとして慌ててサンドイッチを頬張った。
「ううん!何でもないっ、、!でも、流石に歩き疲れたかな。プレゼントも沢山買ってもらったし、、そろそろ帰る?」
『何言ってんの!まだ半分しか回れてないでしょ?若いのに千佳は本当体力ないなー。ほら、それ食べたら次行くよ!!』
「えっ?!全店コンプリートって冗談じゃなかったの?!?!」
『本気に決まってるでしょ。急いで?時間も押してきてるし後半戦は巻いていくから。』
「時間が押してるって、、、もしかしてマサさん何か用事?だったらやっぱりコンプリートは諦めて帰った方が、、、、 。」
残りのサンドを口に詰め込んで立ち上がると、すぐさま手を握られた。