約束のエンゲージリング
『大事な予定が狂っちゃって、、本当参るな。走れる?急ぐからもうダッシュでね?』
「うんっ、、!任せて!!!!」
目尻を下げて優しく笑っている彼に、これ以上迷惑をかけないようにと全力で走った。
勿論、その間も繋がれた手。
てっきり駐車場に向かうのだと思っていたのに、彼が向かう先は逆方向。
ある建物の前で突然立ち止まって、急に身なりを整え始めた。
「マサさんどうしたの?駐車場からは逆方法だし、まさかの休憩?!マサさんも歳には勝てないって事?もうっ!急がないと間に合わなくなるよ!」
『まぁ歳なのは認めるけど、、まだまだ千佳には負けないくらいの体力はあるよ。』
「じゃあなんで休憩、、?」
『休憩とかじゃないよ。ここが目的地だからね。じゃあ入るよ。』
そう言って手を繋いだまま、目の前の建物に入っていく。
よく分からない状況のまま中へ入るとそこはお洒落なレストラン。
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか?」
『はい、2名で予約してた牧野です。少し遅くなってしまい、すみません。まだ大丈夫ですか?』
「牧野様ですね。お待ちしておりました。ではこちらへどうぞ。」