ブラック研究室からドロップアウトしたら異世界で男装薬師になりました
お茶の準備をする私の背後で、セバスチャンがオロオロする。
「お嬢様、私がやりますので」
「大丈夫。特別なお客様だから、私がもてなす」
私は茶を淹れ、菓子と共に盆にのせてミカエルたちが待つ客間へ運んだ。
「飲んだらさっさとお帰りください」
「貴様、殿下に向かってなんという口のきき方だ」
語気を荒らげる従者を、ミカエルがたしなめる。彼は皿に盛られたスコーンをつまみ、カップに手を伸ばした。ラウルがそれを阻む。
「殿下、私が毒味を」
「毒など入れません」
むっとした私にかまわず、ラウルはカップを傾ける。彼はお茶を飲むなり噴き出した。
「なんだこれはっ。やはり毒!?」
「私が調合した薬茶です。むしろ体にいいのですが、苦すぎるのが欠点で。早く帰ってほしい人に出します」
私はそっけなく答える。