ブラック研究室からドロップアウトしたら異世界で男装薬師になりました
「なにか弱みとかない? 寝ているときの歯ぎしりがすごいとか、偏頭痛持ちだとか、お腹が弱いとか」
「そんなこと聞いてどうする。まさか王太子様を脅す気か?」
兄があきれ顔でこちらを見てくる。私は勢い込んでうなずいた。
「女だとバラされたくないもの」
「弱みねえ。婚約者はいるらしいけど……浮いた話はないな」
あの容姿で? しかも彼は王太子だ。私は真剣な顔で言った。
「もしかして……男として役立たずとか」
「あのな……女の子がそういうことを言うんじゃありません」
だってそういう弱みがあれば、双方同じ立場ではないか? 自白剤でも飲ませて、弱みを吐かせるか。真剣に薬を盛ろうと考える私に、兄は顔を引きつらせる。
「大体、王太子様相手に脅そうなんて、普通は考えないだろ。恐ろしいな、我が妹」
前世の体験が利いているのだろうか、私は基本的に他人、とくに男性を信用できない。心を開いているのは家族くらいのものだ。
私の家族は、私が転生者だとは気づいていない。おかげで家族仲もよく、のびのび育ってこられたと思う。これで男にさえ生まれていたら、なにも問題なかったのに。私はメモから視線をはずし、兄に目をやった。
「そんなこと聞いてどうする。まさか王太子様を脅す気か?」
兄があきれ顔でこちらを見てくる。私は勢い込んでうなずいた。
「女だとバラされたくないもの」
「弱みねえ。婚約者はいるらしいけど……浮いた話はないな」
あの容姿で? しかも彼は王太子だ。私は真剣な顔で言った。
「もしかして……男として役立たずとか」
「あのな……女の子がそういうことを言うんじゃありません」
だってそういう弱みがあれば、双方同じ立場ではないか? 自白剤でも飲ませて、弱みを吐かせるか。真剣に薬を盛ろうと考える私に、兄は顔を引きつらせる。
「大体、王太子様相手に脅そうなんて、普通は考えないだろ。恐ろしいな、我が妹」
前世の体験が利いているのだろうか、私は基本的に他人、とくに男性を信用できない。心を開いているのは家族くらいのものだ。
私の家族は、私が転生者だとは気づいていない。おかげで家族仲もよく、のびのび育ってこられたと思う。これで男にさえ生まれていたら、なにも問題なかったのに。私はメモから視線をはずし、兄に目をやった。