片想い同盟
なんとか客を集めては教室に案内するを繰り返して、午前の部は終わりを迎えようとしていた。
「唐沢先輩、彼女いるって本当ですか〜?」
「あーはいはい、その手の質問は受け付けてねぇの。まずはちゃんとお化け屋敷ゴールしてな」
これで俺の担当は最後の1組であろう女2人組を連れて、また教室までやって来た。
さっきまで受付にはたくさんの人が並んでいたのに、昼だからか一気に空いている。俺がいま連れて来た彼女たちでひと段落しそうだ。
「はーい。この懐中電灯を持って入ってくださいね」
混んでいて見えなかった受付が見えいて、そこには相変わらず心配になる衣装を着ている杏が、慣れたように受付をこなしていた。
俺の案内した客も教室の中に入って行って、一息ついた杏と目線がバチッと合う。