俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「ま、待って。ここで呼ぶのやめようよ。ふたりとも楽しんでるみたいだし、雰囲気台無しにしちゃ悪いから」
というよりも、いまにこやかな新野社長の笑顔が私達に目を向けた瞬間、怖いくらいの真顔に変化するところをあまり見たくなかった。
「そー? まぁ、俺も百音とふたりのほうが……」
「え?」
「ううん、なんでも。あ、そうだ! じゃ、あっちに行こうよ。あそこの広場に置いたオブジェ、俺がライトアップしてるんだ」
意気揚々と指差しているさきにあるのは、広場の真ん中にある現代アート風のシルバーでできたオブジェ。
ただグネグネと曲がった棒で、なにを現しているのかわからないと前にここに来たときに思ったけれど、涼真が七色の光を当てることによって夢が広がるような、未来を想像させるもののように見えている。
そばまで歩くと、涼真は足を止めて七色に輝くオブジェを見上げた。
「このオブジェ、制作者に話を聞いたら“過去・現在・未来”を現しているって教えてくれたんだ。正直、聞くまでそういう意味だって気づかなくて、けどそれに気づいたらそれしか見えなくなって。このオブジェの意味が伝わればいいなって思って、七色の光りを当てていろいろあるひとつの人生を現してみたんだ」
「うん、伝わってくる。私はあんまり芸術とかわからないから、オブジェだけじゃ理解できなかったけど、涼真のライトアップでなんとなくわかったよ」