私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
そんな睨まれたって。
あ、勝手に帰ってNYAINにメッセージだけ入れとくって手もあるか。

「わかりました」

したがったフリをして返事をする。
うんうん、そうだ、そうだよ。

「お前、勝手に帰ろうとか考えてるだろ」

後ろから蛇のように追ってきた声で、踏み出した足が止まる。
え、エスパーですか?

「そんなこと、許されると思ってんのか」

声の蛇は私の足に巻き付き、動けなくしてしまった。

「そ、そんなこと考えてるはずないじゃないですか」

ぎくしゃくと振り返り、ぎこちなく笑ってみせる。
いつの間にか席を立ってきた佑司が、上から私を冷たく見下ろした。

「荷物没収」

仕方なく、バッグを引き渡す。
それだけ、彼が逆らえない目をしていたから。
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