私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「チーがキスしてくれた!」

ぽぽぽん! と佑司の周りで花が咲く。
これで納得してくれたかな、と思ったんだけど。

「でも足りない」

私の手を掴んでいた手が首の後ろに回って引き寄せる。
重なった唇、入ってきた熱いそれ。
薄暗い地下駐車場に甘い吐息が密やかに響きだす。
唇が離れ、頬に触れた手の親指が、唇をなぞった。

「……チーも充電池にして持ち歩けたらいいのに」

「……なんですか、それ」

「だっていま満タン充電したけど、切れたら困るだろ。
帰るまで充電できないんだから」

佑司は眼鏡の下の眉を寄せ、真剣に困っている。
そういうのはおかしくて、くすりと笑いが漏れた。

「充電切れそうになったら電話してきてください。
それで少しは、補充できるでしょう?」

「声だけだと淋しくて、もっと電池減るかも」

「じゃあ、ビデオ通話!
ビデオ通話してください」
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