私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「佑司」

『なに?』

「――ちゅっ」

やった途端、自分の阿呆さ加減で顔がぼふっと火を噴く。

『……かなり充電できた、サンキュ。
――ちゅっ』

リップ音を最後に通話が終わる。
ふらふらと寝室を出て、キッチンに向かう。
冷蔵庫からスパークリングウォーターのペットボトルを出し、一気に半分まで飲み干した。
それでもほてりは収まらず、思わず中身をあたまにぶっかけたくなった。

「ヤバい、完全にTLだよ……」

自分のあんな行動はありえない。
もしかして佑司と付き合っているうちに少しずつ、私もTLヒロインとして成長しているんだろうか。

……全然嬉しくないけど。
< 243 / 312 >

この作品をシェア

pagetop