私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
翌日の昼過ぎ、やってきた宅配のお兄さんを見てあたまを抱えた。

――だって、うち一軒分の荷物なのに台車に山積みでやってきたから。

「京屋千重さんでお間違えないですかー」

「はい」

……誰だよ、それ。

とか声に出さなかった私は偉い。

受け取った受領書の束にサインをしていく。
その間にお兄さんは玄関の中へ荷物を積んでくれた。

「ありがとございましたー」

「お疲れ様でしたー、……と。
で、これどうするよ」

超ハイテンションで買い物をしていた佑司が容易に想像できる。
初めてお買い物に行ったときもそうだった。

「アイスはさっさっと冷凍庫に入れて。
カニは今晩のごはんにする?
それで鮭は一匹丸々のままだと入んないから、佑司が帰ってきたら捌いてもらおう。
ジャガイモにんじんは当面、冷蔵庫に入れなくてもなんとかなるかな?」
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