私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
【例の容器。
うちの仕入れ先で持ってるとこあったよ。
取りに来てくれるんならかなりの数融通してくれるって。
ただし、工場が秋田なんだけど】

「どうしますか」

数的にはありがたい。
ただし、場所が。
行けない距離ではないけれど、厳しい距離。
新幹線ならすぐなんだろうが、荷物が多いから車じゃないと無理だし。

「行ってくる。
いまからだと……零時近くになるが、それでも大丈夫か確認してくれ」

時刻は午後四時。
そんなに時間がかかるところにこれから行こうだなんて。

「……わかり、ました」

でも私には止められなかった。
このプロジェクトはなんとしてでも成功させなければならない。

会社のためにも、――佑司のためにも。
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