私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
黒スキニーに白Tシャツ、それにスエットジャケットってなんでもない格好なんだけど。
背が高くてスタイルがいいからか、よく見える。
それでいつものメタル眼鏡だと浮くんだろうけど、黒縁眼鏡に代えているし。

「どうした?
もしかして、見惚れた?」

嬉しそうに佑司の口もとが歪む。
惜しいな、口を開かなければこんなにいい男なのに。

「だーれが、見惚れたりしますか!」

「ええーっ、絶対格好いいと思ったんだけどなー?」

少しでも良く見せたいのか、佑司がいろいろポーズを取ってきて鬱陶しい。
一瞬でも格好いいとか思ってしまった自分が悔やまれる。

なんだかんだで、地下の駐車場に連れていかれた。
乗せられたのは黒の国産ハイブランドセダン。
シートも黒の革張りで、なんかちょっと緊張する。

「あの。
どこに行くのか知りませんが、一度家によってもらえないですか」
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