私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「なんで?
すっぴんのチーも可愛いから、化粧なんて必要ないだろ」

「……えっと」

こんなことをさらりと言ってのけるあたり、やっぱりスパダリ様だ。

まず〝すっぴんの方が〟じゃなく〝すっぴんの〟と言っているのが、女性としてはポイント高い。
ちゃんと化粧していても可愛いし、すっぴんも可愛いと言外に認めている。
そういうのがさらっと口から出てくるとか、さすがとしかいいようがない。
そして聞いているこっちとしては、……妙に恥ずかしくなってくる。

「……その。
化粧しなくても、基礎化粧品はちゃんとつけておかないと肌が荒れますし。
だから、その」

「そんなもんなの?」

「そんなもんなんです」

佑司はなにか考え込んでいる。
僅かな沈黙の間、おしゃれな洋楽が静かに流れた。
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