私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「監視カメラは?」

「ないですよ」

会社から便がよく、しかも駅からさほど離れていないという好条件で安アパートとなれば、そんなもの期待するだけ、無駄。

「……いや、確かに昔は俺も、こんなアパートに住んでいたけど……」

なんだか少し、意外な気がした。
佑司のイメージからいって、はじめからあんなおしゃれな高級マンションに住んでいそうだから。
けれどよくよく考えたら、彼だって一般社員時代があったわけで、当たり前か。

「チー、ドアスコープは塞いでないのか」

「なんですか」

佑司は家の中をチェックして回っている。
それにかまわずにキレイめで落ち着いて見える服をさがす。
スキニージーンズに黒の半袖Tシャツ、それに白レースのロングカーディでいいか。

「莫迦か、お前は!
洗濯物、特に下着を外に干すなよ!」
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