私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「……可愛い」

みるみるうちに佑司の機嫌が直っていくのがわかる。
私の苦手なガーリーさをTシャツで抑え、スカートで佑司の希望を叶える。
上手くいったみたいだ。

「よし、それを買おう。
それで、そんな感じで選べばいいんだな?」

「そうですね」

「さっさと着替えろ。
次、いくぞ」

私をせかせる佑司は、すっかりご機嫌になったようだ。

その後、洋服店をはしごして着せ替え人形にさせられた。
ときどき、私の好きなラインから完全に離れた可愛い系を着せられたが、悔しいけど似合っていた。

「チーはここで待っていろ」

入っているコーヒーチェーン店で私の飲み物だけを買い、佑司は荷物を抱えて車に戻った。

……よかったのかな、ほんとに。
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