闇に溺れた天使にキスを。



「焦らなくて大丈夫だよ。
ノートは私、ちゃんととってるから見せるね」


授業はちゃんと聞いているから、私。


『もー、そういう意味で言ったわけじゃないのに』
「え……じゃあ、どういう意味で…」

安心させるつもりが、どうやら違うかったようで。


『白野さんに早く会いたいんだよ』

さらっと、照れさせるようなことを言う。

きっと彼は人の照れ顔が好きらしいから、今回もそのつもりなのだろう。


私は恥ずかしくて何も言葉を返せなくなる。
すべて彼の思い通りだ。


『だから、そろそろ限界がきてる』
「へ…」


限界?

どこか大きな怪我でも負っているのか。
途端に不安になっる私だったけれど。


『声だけでもって思ったのに、声を聞いたら今度は会いたくなる。だからやっぱり、落ち着くまで連絡しなくてよかった』


自分に甘くなるからと、彼は続けた。

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