闇に溺れた天使にキスを。



「おっ、翔!ちょうどいいところに来た、こいつがなんか嫌だっつってよ」


翔…?


思わず顔を上げると、金髪姿である足立先輩の隣に、朝に会った平沢先輩がやって来た。


足立先輩とは違い、神田くんに近いダークブラウンの髪をしている平沢先輩。

ふたりが親しそうに話しているけれど、それが違和感でしかない。


「どうせ俊斗が乱暴にしたんだろ?
実際、泣きそうになってる」

「え、嘘だろ!?なんでだよ、俺はただ」

「ちゃんと説明したか?
今から“総長”のところに一緒に行くんだって」


ドクンと、心臓が大きく音を立て。
思わず体が固まってしまう。


総長…総長のところって、何?

どこかで聞いたことのある、総長という言葉。

私の記憶が正しければ、それは暴走族という裏で喧嘩ばかりしている不良グループの───


トップ、だったような気がする。

< 169 / 530 >

この作品をシェア

pagetop