闇に溺れた天使にキスを。
「おっ、翔!ちょうどいいところに来た、こいつがなんか嫌だっつってよ」
翔…?
思わず顔を上げると、金髪姿である足立先輩の隣に、朝に会った平沢先輩がやって来た。
足立先輩とは違い、神田くんに近いダークブラウンの髪をしている平沢先輩。
ふたりが親しそうに話しているけれど、それが違和感でしかない。
「どうせ俊斗が乱暴にしたんだろ?
実際、泣きそうになってる」
「え、嘘だろ!?なんでだよ、俺はただ」
「ちゃんと説明したか?
今から“総長”のところに一緒に行くんだって」
ドクンと、心臓が大きく音を立て。
思わず体が固まってしまう。
総長…総長のところって、何?
どこかで聞いたことのある、総長という言葉。
私の記憶が正しければ、それは暴走族という裏で喧嘩ばかりしている不良グループの───
トップ、だったような気がする。