闇に溺れた天使にキスを。
「う、うん…少し怖い場所だね」
「ここは一般的な不良もよく溜まる場所だからな。お前だとすぐに捕まる。だからこれからもお前は絶対、ここでの移動手段は車」
移動手段が車だなんて、なんという贅沢だろう。
「……あれ」
「なんだよ」
思わず、涼雅くんのほうを向く。
今、これからもって言わなかった?
「これからも…?」
「ああ、これからも」
「私はまたここに来るの?」
「多分、拓哉が呼ぶだろうな」
「どうして?」
「……お前、まさかわかってねぇのか?」
頭に浮かぶ疑問。
先ほどから、涼雅くんと話が噛み合っていない気がする。
「う、ん…?」
「まじかよ…お前、重症だな」
最終的には呆れられ、重症扱いされてしまう。
「そ、そんなこと…」
「お前は拓哉のお気に入りだって、今日でもわかっただろ?」
私は神田くんの、お気に入り…?