闇に溺れた天使にキスを。






「白野さん。今日ってこの後、空いてる?」


6限目の授業が終わり、ホームルームを行うため、担任の先生を待っていたら。

突然神田くんが私の席にやってきて、いつも通りの優しい笑顔で聞いてきた。


それなのに私は昼休みのことを思い出し、また肩がビクッと跳ねた。


「……白野さん?」
「あ、えっと、今日用事があって…」

嘘、本当は用事なんてない。


けれど彼とふたりきりになれば、何やら危険が伴ってしまうような気がして断ることにした。

断ることに罪悪感はあるため、俯いて彼の視線から逃れる。


そして彼が口を開くのを待っていたら。

「おいおい、朝から気になってたんだけどふたりって付き合ってるのか!?」


このクラスのムードメーカーである男の子が、私たちの関係を気にして話しかけてきた。

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