あの空を飛ぶ鳥のように



メルの治療を受け終えた私たちは、長老にあいさつをした。

「ルシアか…皆を守ってくれてありがとうな」

長老は、私たちに向かって微笑む。

「あ、シャインとメル。ここが私が初めて来た村で剣術士である長老に剣術を教えてもらっていたんだ」

「そうだったんだ…」

シャインとメルは、長老に自己紹介をする。

「長老、魔王城ってあそこで良いんですか?」

私は、窓から見える城を指差して聞いた。長老は「そうじゃ。お主ら、あそこに行きたいのか?」と私たちを見ながら問いかけてくる。

「はい。行きたいです」

私が長老を真剣な顔で見ながら言うと、長老は「…じゃろうな。とりあえず、今日は休んでいけ」と杖を付きながら言う。

私たちは、長老のお言葉に甘えてこの村で休ませてもらうことにした。
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