あの空を飛ぶ鳥のように
「魔王!姫様を返して!」
魔王城の最深部にある、とある広間。私たちは、魔王を見据えながら叫ぶ。
「あのモンスターの暴走、魔王の仕業でしょ?止めて欲しいんだけど…」
「止めない。あなたたち、異世界から転生してきたんだろ?知ってるぞ。だから、俺がお前たちを倒して…この世界を手に入れてやる」
魔王は、高らかに笑う。その笑い声に嫌気がさした。
「シャイニングスター!」
シャインが魔法を放つ。光が魔王に向かって飛んでいった。しかし、魔王はその魔法を避ける。
「……シャイン、メル。危ないから離れていて…二人とも離れた位置から援護を頼む!」
そう言って私は、魔王に斬りかかった。その脇をシャインが放った魔法が飛んでくる。私は、メルのサポートによって素早さを上がったのを感じた。
戦い始めて数分。私たちはボロボロになっていた。私たちの息が切れている。
私は、倒れるのを覚悟で魔王に向かって飛びかかった。瞬間、魔王の動きが止まる。
「…よし、上手くいった!今だよ!」
メルが魔王の動きを封じてくれたようだ。私は、ためらいもなく刀を魔王に向かって振り下ろした。