天然たらしが本気を出す時。


どれだけ学校に行きたくないと、夜よ明けないでと願ったとしても、当たり前のように朝は来るわけで。



窓を開けカンカンに晴れた空を若干睨みつける。




渋ってても仕方がないと思い顔を洗い、スキンケアをしてメイクを始める。




私はごまかしのきくブスなのだ。


メイクをして髪型を可愛くすれば雰囲気かわいいになれる系。


ブスだからこそ一応身だしなみには気をつけてるし支度に時間がかかるから寝坊もしない。



そう。だから私は天然美人には到底かなわないのだ。







「……いってきます行きたくないけどいってきます」











いつもの時間に電車に乗っていると、少し離れたところに音楽を聴きながら電車に揺られている七瀬くんを見つけた。







家こっちなんだ。


そして七瀬くんを見ながら昨日の失態を思い出す。

本当、なんであんなこと言ってしまったんだろう。


彼とは図書委員で少し関わりがあるだけで、あとは何にもない。



私が知ってる彼の情報は
本名七瀬 奏。
全体的に色素が薄くて、男前とかイケメンって言葉よりは美少年って言葉が似合う感じで、いや、訂正。あれは確実に美少年だ。同じクラスで図書委員で、なんだかふわふわしてて不思議な人。中野くんとよく一緒にいて。あ、あと七瀬くんの笑った顔は意外と好きかも。




本当にこのくらいしか知らない。




ん?意外と言えてる?うるさいっ






あんまり見過ぎるのはよくない、変態のレッテル押される、と思い目を逸らそうとした時 丁度七瀬くんがこっちを向き目が合ってしまった。


やば、見てるのばれた…。






七瀬くんは驚いたように少し目を開き、そのあと少し頭を下げてきた。


そしてふわりと笑った。





……び、びっくりした…




慌てて私も頭を下げて体の向きを変える。



まさか笑いかけてもらえるとは思ってなかったから変に硬直してしまった。






でも、ーーーー…そういえば七瀬くん、一部で天然たらしって呼ばれてるんだった。






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