インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
少し触れられたとか些細なことで私だけがジタバタしているなんて、尚史にまで置いてけぼりを食らっているみたいでなんだか悔しい。

尚史ができることを私ができないはずがない。

私だって負けるわけにはいかないんだから、こんなときこそ『ガンガン行こうぜ!』モードで攻めていかなきゃ!

「もう大丈夫だから、そろそろ行こう」

意を決してそう言うと、尚史はベンチからゆっくりと立ち上がった。

「じゃあ次のターゲット探そうか」

私も気合いを入れて立ち上がり、辺りを見回している尚史の手を思いきってギュッと握った。

尚史は私の方を向いて大きく目を見開いたあと、私に握られている自分の手を見て何度もまばたきをした。

「……モモ、無理しなくていいよ」

「無理はしてない。また尚史とはぐれて絡まれる方が怖いもん」

「うーん……それもそうか。じゃあ……」

尚史の手が私の手からスルリと抜け出した。

そして今度は尚史が私の手を取りしっかりと繋ぐ。

やっぱり照れくさいのは変わらないけれど、尚史の大きな手でそうされると、守られているような安心感と懐かしさがあった。

「とりあえず……手を繋ぐのがデフォってことで」

「……うん」

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